お米を作った話2
種の成長
種を蒔いた苗床は田んぼに浸ける。
暖かい空間にするために、ミニビニールハウスを作った。触覚をつけてみた。
大量に湧き出た湧き水を池を通して田んぼに落とす。できるだけ温めるために、ゆっくりゆっくり、ちょびちょびと。
お米が育つ。僕にとって、とても意味のある育ち。#ああ水 #稲 #稲作 #rice #nature #naturelovers #iwate
そしてお米は、ゆっくりゆっくりと成長していく。
とても嬉しい。
お山の土地では、お米作り以外にもいろんな体験する。それに伴い僕の未熟さを感じまくる日々が続く。
稲達の成長を見ながら、自分もゆっくり成長していけていたらいいなと思った。
気づいたらお米粒が稲っぽくなっていた。
代掻き
耕運機を使って代掻きをした。
ひたすら田んぼをドロドロになるまでかき混ぜる。自分もドロドロになる。しかしながら一種の瞑想のように、精神が静まる感覚があった。
今では珍しいけれど、この田んぼには裸足で入れる。だからなのかより田んぼに近づける気がした。足の裏から伝わる泥や石の形、質感、温度などは、なんとも言えない良さがある。特に泥から上がったあとの足裏のすーすー感はなんとも形容しづらい良さがある。
田んぼの景色
代掻きや田植え付近の田んぼには、田んぼらしく水が満たされる。水が張った田んぼには、夕焼けや星空、虹だって写った。
(下を向いて歩いていた時、田んぼの水面に変なものを発見した。ん?虹?空を仰ぎ見ると本当に虹(彩雲?)が浮かんでいた。)
田んぼに少しづつ僕の時間が入り込んでいく中、ついに田植えが始まった。
いつも見ていた景色に、僕が育て(育つのを見届け)植えた稲たちが馴染んでいた。
田んぼはいろんな景色をつくっていった
田んぼの景色と、僕の感情が入り混じる
田んぼに住むいきもの達
徐々に稲は成長し、知らない間にいろんな生き物が姿を現し始めた。
カエルから始まり、昔憧れたゲンゴロウやミズカマキリなど、"里山に住む虫"みたいなのに代表されるやつらと出会うことができた。
本当にいろんな生き物がいて、嬉しい。
いろんな生き物がいることは、僕には嬉しいことだと知った。
7/10メモ
イトトンボが羽化している。
ぱっと見8匹。
尻尾を出す瞬間は、つるっと?ごそっとの間のような感じで、結構力を使うんだろうなって思った。
そして、とてつもなく無防備だと思った。
殻を破るとき、つぎのステージに行くときはひ弱で無防備なのかもしれない。静かに待つ、時間に身をまかせるような姿。自分の呼吸はゆっくりと静かになっていた。
焦ってはいけない。
悠々と目の前を飛ぶ、他のイトトンボがいたとしても、目の前で飛び立って行ったとしても、焦ってはいけないんだ。グッと堪える。彼らには、この時間はどのくらい長いものなのだろうか。水中を覗くと、まだたくさんのヤゴがいて、顔を出そうとしている。その時を待つかのような容姿には、熱い眼差しを送ってしまう。僕だったら、どれだけ怖いのだろうか。
僕はとても緊張した、緊迫した田んぼを見たのは初めてだった。
目を離した隙に、一匹が飛び立っていってしまった。その姿?晴れ姿?ぼくが待っていた姿?を見逃した!!って思ったけれど、近くにもどっち来てくれて、今ぼくの目の前で羽を乾かしている。嬉しくなる。
橙色のイトトンボと、水色のイトトンボが、対面していて、まるで道で右に避けるか左に避けるかが重なってあわあわなっていふ人のようなすれ違い目撃した。笑ってしまった。
同じイトトンボ同士でも、見つめ合いながらぐわんぐわんした後にすれ違うから、挨拶みたいなものなのかと思った。でも、笑ってしまう。
コミュニケーションなのかもなーと思う。蛍の幼虫がいたり、ゲンゴロウ、オタマジャクシ、マツモムシなど、里山(≒田んぼ)の風景に出てくる生き物が、ここにいてくれることに、すごく嬉しい気持ちになる。ごめんねって気持ちも、そこにはある。(そういう田んぼが減少しているから)だからこそ、"絶望があっての希望のような"(もうちょっと言葉を出したい)、嬉しさが湧いて出た。
こういう、田んぼを、増やしたい!!
そう思った。
僕のちっちゃい頃、憧れていた里山。田んぼが、ここにある。生き物たちの時間が、たくさん見られるように、いっぱい彼らが生きられるように。
生きるとはどういうことか
など考えてしまう僕にとって、
ただひたすらに生を全うしている(と思われる) 彼らの姿は、刺激的である。
ヒントが隠されていそうで、彼らに答えを見出そうとしてしまう。
草刈りは辛いよ
この土地では除草剤などは使用していないため、いろんな草達が次第に広がっていく。芽吹きから見ていた僕にとっては驚きであり嬉しいことだ。そしてどれも美しかった。これを道の確保などのため、刈らないといけないのは、正直心が痛い。
田んぼも例外でなく草は生え、刈る方向性である。田んぼの中は主に、矢尻と呼んでいるオモダカやセリ、藻みたいなやつ、浮き草などが勢力をつける。
こいつらはどんな花を咲かすのだろうかと思うと、なかなか手ごわい相手になる。
しかしひょんなことから、このオモダカと藻(セリは川にもあり普通に食べている)を食べてみようか!という話になった。オモダカは炒め物、藻はモズクの酢の物風に。
イケました笑
田んぼでは厄介者な奴らを頂けるなんて!!すごい発見だ!!ということで草刈り兼収穫が流行りました。有難いことです。
ここでまた新たに思ったことで、田んぼは稲だけを育てるものではない!ということ。オモダカや藻、トンボ、ホタル、いろんないきものを育てる。そして稲以外にも食べられるものを育てていて、田んぼをまた1つ感じられた気がした。
ぼくも育っているのだろうか?
続く