気持ち良さと切なさ
踊子草が、黄色くなっていた。
日中もカエルの声がする。
とても嬉しい気持ちになった。
お昼にも彼らの存在を確認できる、
認識できること。
それが僕の中で彩りに変わり、
嬉しく思ったのかな。
桑野葉っぱは本当に不思議な形だ。
この変化を見ていたい。
草刈りをして、代掻きをしたお山。
それもまた美しかった。
気持ち良いのが当たり前で、
その先の気持ち良さを探そうとしている僕。
なんて贅沢なのだと思ってしまう。
風や小川の流れる音、鳥のさえずり、草木と太陽、桑の実の形、藤の紫、育つ稲。
空を見上げれば、岩手山が少し顔を出し、青空に映える雲が壮大だ。
美しくって、たまらない。
こうやってその場に立ち止まるだけで、
僕はたまらなくなる。
立ち止まるからこそ、
歩きたい方向がわかる気がした。
僕は座り込む。
ミクロな視点がたくさん見えてくる。
気づかなかった存在や営みに出くわす。
これも僕には大切なこと。
でも、なぜか切ない。
photo by dali